道場訓とは
道場訓は、その道場で稽古する者に求められることを示した教えです。稽古の始めや終わりに唱和され、流派の教育的・精神的な指針を表します。空手の道場では船越義珍先生の道場訓が広く用いられていますが、流派ごとに独自の道場訓をもつこともあります。正剛館には、館祖自らが記した道場訓があります。1
道場訓は、理解されてはじめて意味をもちます。ここでは原文とともに、各条の要旨をご紹介します。
多田正剛先生の原文
この道場訓は、正剛館初代館長・多田正剛先生の遺稿を、原文のまま掲載したものです。1 ポルトガル語訳は成田丈悦先生によるものです(2010年)。1
第一条 精神の道としての空手
第一条がすべての土台です。空手道は自己の人格完成をめざす精神道であり、稽古はそのための手段として、真心をこめて行うべきものです。これは、総本部が1945年の創設以来、正剛館の目的として掲げてきた考え方でもあります。2
第二条 礼儀作法の意味
道場の礼儀作法は飾りではありません。第二条は、作法の形だけでなく、その意味をわきまえることを求め、空手が単なる体力づくりや趣味に堕することを戒めています。
第三条 技の外にある振る舞い
言葉づかい、動作、立ち居振る舞い、身なりも稽古の一部です。第三条はこれらに常に注意を払い、横柄・無礼・乱れに流されないよう戒めています。
第四条 ともに稽古する
最後の条は稽古そのものを描いています。全員そろって師範を待ち、稽古中は最後まで互いに励まし合い、師範と仲間への感謝をもって終える。正剛館では、誰もひとりで稽古するのではありません。
誠実・謙虚・不屈
道場訓は、正剛館が今も精神として掲げる三つの言葉で結ばれています。2
- 誠実
- 謙虚
- 不屈